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2024年8月20日(火)

ガザの未来信じて

若者たちが人道支援活動

高齢者や子どもを少しでも笑顔に

 【カイロ=秋山豊】イスラエルによる封鎖と軍事攻撃で深刻な物資不足に苦しむパレスチナ自治区ガザで人道支援活動に取り組む若者たちがいます。家族や友人を殺され、自らも住まいを追われ、命の危険にさらされている状況での活動です。それでもガザと自分たちの未来を信じ、即時停戦を願いながら力を尽くしています。


 人道支援団体で活動するワラさん(28)は、ガザ各地の避難所で住民の苦難を調査し、食料や医薬品、高齢者の支援に必要な物資の確保などに努めています。わずかながらガザに入ってくる支援物資を住民に届けています。

 ワラさんもイスラエル軍の攻撃で北部ジャバリヤの自宅を追われました。今は特定の住まいがなく、毎日、団体の仲間と避難所をまわっています。ガザ各地で住まいを追われた住民と同様に支援物資に頼る暮らしです。

 ワラさんは本紙の取材に「戦争に人生を変えられた。友人を殺された。仕事も失った。しかしこの悲惨な状況が、高齢者や子どもを少しでも笑顔にさせる活動の動機になっている」と語りました。

 イスラエル軍は避難所さえも無差別に攻撃しています。ワラさんは「この暗闇の中では互いに支え合い、希望を見いだすことが大切だ。そうでなければ人びとは爆撃を生き延びても飢えと恐怖のなかで命を奪われる」と話しました。

 ワラさんは「私にはどんな困難のなかでも夢がある。イスラエルによるパレスチナ占領を終わらせ、私たちの国を築くことだ」と続けました。

 同団体で活動するハレドさん(29)は避難民の衣類や赤ちゃんのおむつなどの確保のほか、不発弾への注意を促す活動もしています。ハレドさんは爆発物について教育を受けています。

 ハレドさんは「ガザの危機は若者の人生にあまりに大きな打撃を与えた。ほぼ全ての若者が親しい人をイスラエル軍に殺されている。私も家族と友人を殺された」と言います。

 「イスラエル軍の攻撃で多くの若者がけがを負わされた。学校や大学が破壊されて教育の権利を奪われた。イスラエルの封鎖政策による食料不足で長期の健康被害に苦しむ若者もいるだろう」

 ハレドさんは「しかしこれらの苦難は、パレスチナの人びとを支えたいという私の情熱を強くする。若者は地域に尽くし、人道的大惨事にたちむかってきた。今の危機が終わった後もガザの再建で重要な役割を担うだろう」と強い決意を表明しました。


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