2024年8月18日(日)
きょうの潮流
前回と同じ顔触れの「老老対決」などと揶揄(やゆ)された米大統領選が一転。バイデン大統領の撤退によるハリス副大統領の昇格で民主党陣営が盛り上がっています。ハリス氏が副大統領候補に選んだのはミネソタ州のウォルズ知事です▼公立高校の教員歴20年から下院議員を経て州知事に。ウォルズ氏が初の単独遊説先に選んだのは公務員労組の総会でした。「組合員」だった自らを売り込み、草の根の動員こそが選挙勝利のカギだと訴えました▼トランプ前大統領は候補者差し替えに不満げです。実業家で大富豪のイーロン・マスク氏と対談し、労組攻撃に余念がありません。マスク氏に、ストライキを行う労働者がいれば「全員解雇だ」と言えば良いと促しました▼両氏が共鳴するのは偶然ではありません。マスク氏はツイッター社を買収した際、大量の労働者を解雇。同氏の他の企業でも労働者からの労働法違反の告発が相次いでいます。大企業への規制緩和を目指す両氏のタッグに早速、労組側から批判が上がっています▼昨年、ストで盛り上がった米労働運動。この夏も闘いは続いています。ロサンゼルス近郊にあるディズニーランドでは、40年ぶりのストを経て7月末に労働者が新しい労働協約を勝ち取りました。最賃は時給24ドル(約3600円)に▼同じくロス近郊ではアニメ労働者が、ストも辞さない構えでスタジオ側との交渉に臨んでいます。本紙記者が伝えるキックオフ集会で、労働者は声をあげています。「闘って、われわれは勝つ」