2024年8月16日(金)
日本軍「慰安婦」被害者の追悼行事
戦時性暴力繰り返すな
日韓独の市民団体 「少女像守ろう」
ベルリン
![]() (写真)日本政府に性暴力の歴史と向き合うよう訴えた国際「慰安婦」メモリアルデーの市民集会=14日、ベルリン(吉本博美撮影) |
【ベルリン=吉本博美】国際「慰安婦」メモリアルデーの14日、ドイツの首都ベルリンでは日韓独の市民団体が集会を開き「戦時下の性暴力を二度と繰り返させない」と訴えました。
集会が開かれたのはベルリン中心部のミッテ区で、日本軍による「慰安婦」を象徴する平和の少女像が設置されています。集会では韓国、中国、台湾、東南アジア各国の慰安婦被害者の証言が読み上げられ、旧日本軍と加害の歴史に向き合わない自民党政府を非難しました。
2020年に韓国系市民団体「コリア協議会」が設置した少女像は、撤去を求める自民党・岸田政権の要請に応じた保守のキリスト教民主同盟(CDU)のカイ・ウェグナー市長により9月以降に撤去されようとしています。
コリア協議会のナタリー・ジョンファ・ハン代表は、撤去反対を力強く訴え「日本政府は性奴隷と植民地支配の戦争犯罪に真摯(しんし)に向き合うべきだ」と断じました。
ドイツの市民団体「フェミニストネットワーク」のレーカ・ルリンツ氏は、韓国系市民によって世界各地に設置された少女像が、フェミニズムと脱植民地運動も象徴してきたと指摘。「女性が国家による家父長的な暴力によって沈黙させられるのは許せない」と訴え、ミッテ区の少女像を守ろうと呼びかけました。
参加者で近隣住民のアルマさん(49)は「少女像はアジアの性奴隷被害だけでなく、ナチスドイツやソ連軍の性暴力の歴史も振り返る機会をも与えてくれた。国が市民の声を無視して一方的に撤去しようとするのはあり得ない」と話しました。