2024年8月16日(金)
きょうの潮流
印象に残った二つの相好がありました。「このたび、私は、第100代内閣総理大臣を拝命いたしました」。初の所信表明演説でそう言い放った際、マスク越しに議場を見回したとき▼もう一つは米国議会で「日本はアメリカとともにある」と強調し、喜色満面にあふれたときです。この人の本性にふれた気がして。結局は自らの権力欲と、アメリカにしがみつく首相だったのかと▼当初売りだった「聞く力」は、すぐに国民の声ではなく、米国や財界の要望だったことが明らかに。原発推進、マイナンバーやインボイスの強行、国の主権さえさしだす米軍との一体化…。聞くだけでなく実行も伴って▼物価の高騰のなかでふみだしたのは大軍拡。くらしの苦しさに目が向くことはなく、人権をめぐっても遅れた体質から抜け出そうともしませんでした。いくら「生まれ変わった自民党を示す」と口にしても、生まれ変われないのは自分自身でした▼それは裏金問題でもあらわに。信頼回復のため火の玉になると大見えを切りながら、解明もせず、抜け穴だらけの改悪法を改革と称して。戦争へと突き進んだ破滅の道を省みるさなかの退陣表明は、平和な国づくりに無責任だったことを示しました▼これで3代続けての政権投げ出し。この間の悪政上積みは、顔を入れ替えても国民との矛盾は深まるばかりだと証明しています。初組閣のとき岸田首相は「新時代共創内閣」と名づけていました。それを実現する道は、自民党政治を終わらせることです。