2024年8月15日(木)
主張
79回目の終戦の日
平和の対案で戦争への道防ぐ
日本がアジア・太平洋戦争に敗北した1945年8月15日からきょうで79年です。戦争がもたらした無数の悲劇を見つめ直し、平和への方策を考える日です。
130年前に始めた日清戦争で朝鮮半島、台湾の植民地支配に乗り出した軍国主義日本は、31年の中国東北部への侵略(満州事変)以降、中国・東南アジア・太平洋地域へと侵略を拡大し、2千万人以上のアジア諸国民と310万人以上の自国民の命を奪いました。
焦土となった日本で、痛恨の思いを反映して生まれたのが、戦力の保持を禁じ、国の交戦権を否定した日本国憲法9条です。
■緊張招く9条改憲
ところが岸田文雄首相は「先送りできない課題」として、政権を投げ出す前に、あえて、憲法に自衛隊を明記する9条の明文改憲を打ち出し次期政権に引き継がせようとしています。
この間、自公がすすめてきた「戦争する国づくり」は、一片の閣議決定で憲法解釈を変え、米国に従って自衛隊が海外で戦争する道を開き9条を空洞化させてきました。それさえ踏み越えて9条の制約を正面突破し、“堂々と戦争できる国”にしようとするものです。
9条は、二度と侵略戦争を起こさないという、アジア諸国への約束であり、日本への信頼の礎です。9条改憲はアジアの緊張を一気に高めることになります。
戦後の原点を否定する道を許すことはできません。
自公政権は中国の脅威を言い募り、「国民の命と安全を守る」として南西諸島に自衛隊のミサイル基地を配備、米軍との共同訓練を強化してきました。同時に、その島々にミサイル攻撃に耐えるシェルターの整備をすすめ、本土への避難想定訓練を行っています。軍事対軍事の道が住民の安全を守るどころか、かつての沖縄戦のような危険を招く可能性を認めているのです。
■日本共産党の提言
いま、戦争の準備ではなく平和の準備が必要です。日本共産党は外交による安全保障に徹する立場から東アジアの平和構築への提言を発表し、国民的・市民的運動を呼びかけています。
▽ASEAN(東南アジア諸国連合)と共に、紛争を平和的に解決する東南アジア友好協力条約を指針とし、排除でなくすべての国を包摂する枠組みを活用し東アジア規模で平和の地域協力を発展させる▽北東アジアの諸問題の外交的解決を図り東アジア平和共同体を目指す▽ウクライナとガザの戦争を国連憲章・国際法にもとづいて解決する―というものです。「正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求」する憲法9条の精神に立つものです。
自衛官が靖国神社に集団参拝し、今年1月には陸上幕僚監部が靖国神社には「国家防衛のために亡くなられた方々」が祭られているという文書を作成していました。「有事」の際の自衛官の給与・手当のあり方も検討課題とされています。
「お国のため」と侵略戦争に駆り出された過去を繰り返してはなりません。
かつて、戦争に反対した日本共産党員は弾圧され、国民は主権者でなく、真実を知りえませんでした。いまは違います。「戦争する国づくり」に向け暴走する自民党政治そのものを終わらせましょう。