2024年8月15日(木)
政治の転換へ歴史的チャンス
政治部長 中祖寅一
2020年8月の安倍晋三首相、2021年9月の菅義偉首相、そして今回の岸田文雄首相―3代続けての自民党首相の政権投げ出しです。自民党政治の深い行き詰まりがあります。日本共産党と「赤旗」は正面対決を貫き、自民党を追い詰めてきました。
政界を激震させてきた「赤旗」日曜版による裏金スクープと日本共産党の国会論戦は、企業・団体献金とパーティー収入に依存する自民党の本性を白日のもとにさらしました。企業・団体献金が財界本位に政治をゆがめるという根本問題で、自民党は反省も改革もできないことを示しました。
さらに30年にわたり経済が成長せず、賃金が上がらず、少子化が止まらず、有効な対策も見えない―自民党の経済無策への国民の失望も深まり続けています。
自民党中堅議員の1人は「カネの問題は、ひとり岸田首相の責任ではなく、首相が出馬をやめて一掃できるものではない。経済格差と社会の分断は岸田政権のもとでより拡大した」とし、「誰が新総裁になったとしても厳しく問われる」と語ります。
安倍、菅、岸田の歴代政権のもと、集団的自衛権の行使容認と日米軍事一体化、そのもとでの敵基地攻撃能力の保有と大軍拡が強行されてきました。
日本の「安全保障」どころか列島丸ごとの戦争の最前線拠点化が進み、危険が大きく増大しています。
民意無視の沖縄の米軍新基地建設強行、森友・加計や桜を見る会の疑惑、学術会議の会員任命拒否、米兵による性暴力の隠蔽(いんぺい)など、立憲主義破壊の強権政治、政治の私物化とモラル崩壊は極限に達しています。これらの問題でも追及の先頭に立ってきたのは日本共産党と「赤旗」です。
岸田首相は総裁選への不出馬表明の中で、憲法9条への自衛隊明記を再び呼号しました。自民党関係者は「他の総裁選候補へのメッセージだ。安倍首相以来の道を推進する」と語ります。
「戦争する国」づくりの加速、完成を目指す危険な自民党総裁選の事実上のスタートです。新総裁が選出されれば、解散総選挙へと進む可能性も高いとみられます。行き詰まる自民党政治を終わらせ、政治の転換へ、まさに歴史的チャンスを迎えています。