2024年8月15日(木)
岸田首相 政権投げ出し
「裏金」で総裁選断念
岸田文雄首相(自民党総裁)は14日、首相官邸で記者会見し、統一協会との癒着や派閥の政治資金パーティー収入を通じた裏金事件を巡って「国民の不信を招いた」と述べ、任期満了に伴う9月の同党総裁選に立候補しないと表明しました。国民の世論と運動に追い詰められ、支持率の長期低迷が続くなか、政権を投げ出す結果となりました。
岸田氏は会見で、統一協会の問題や裏金事件について、「国民の政治不信を招く事態が相次いで生じた」として、「私が身を引くことでけじめをつけ、総裁選に向かっていきたい」と発言。「赤旗」日曜版のスクープが明らかにした、裏金事件などで追い詰められたための政権投げ出しであることを認めました。
9月の総裁選で自民党が変わる姿を国民に示す必要があるとして、「自民党が変わることを示す最もわかりやすい最初の一歩は、私が身を引くことだ」と述べ、表紙を変えることで国民の支持をかすめとろうとする姿勢を隠しませんでした。
岸田政権は、2022年に「安保3文書」を閣議決定し、5年間で43兆円という異次元の大軍拡を推進。今年4月の日米首脳会談では、米軍と自衛隊の指揮統制の枠組み強化を明記するなど、日米軍事同盟の強化を進めてきました。経済では、「新しい資本主義」を掲げながらアベノミクスを継承。異常な円安・物価高も何ら対策を打とうとしませんでした。
岸田氏は会見で、こうした「戦争国家づくり」や経済無策を3年間の“成果”として自賛。明文改憲については、9条への自衛隊明記の論点整理と緊急事態条項の条文化を今月末までに党内で取りまとめるよう指示を出したことに触れ、「初の発議までつなげていかなければならない」と異常な執着を見せました。