2024年8月14日(水)
きょうの潮流
「20歳の不破青年が『もう小説を書く気はなくなって』いた背景には、17歳の誕生日の直前にある政党に入党して、政治活動に従事していたことも関係していたと思われる。不破哲三は後年この政党の指導者になっている。この政党の名称を答えなさい」▼今年の北海道大学の入試にこんな問題がありました。科目は日本史で不破さんの著書『私の戦後六〇年』を史料に使って出題されました。大学入試の答えに日本共産党が求められること自体、その存在が日本政治の中で欠かせないことを示しています▼ロングインタビューをまとめた先の本は、もうひとつの戦後政治史とうたわれました。戦争への反省も総括も清算もされないまま、頬かぶり精神、あいまい体質ですませてきた自民党政治。それと対峙(たいじ)し現実の矛盾を告発し社会を変えてきた政党の役割と値打ちを自身の回想を交えて▼不破さんは大学で学ぶ学生たちにこんなアドバイスを。過去の侵略戦争の“名誉回復”をはかる。もっぱら「アメリカの窓」から世界を見る。ルールなき資本主義の国。この三つの異常さを日本社会の全体像をつかむ参考にしてほしい▼ちなみに入試問題とともに北大のホームページにある講評には、冒頭の問いに正解できない答案が存外多いのに驚いたと。普段から新聞やニュースに接するよう受験生に呼びかけています▼昨今の共産主義と自由についての提起もそうですが、現状の打開とともに未来社会を展望する党の魅力を、たくさんの若者に広げたい。