2024年8月14日(水)
変わらぬ基地被害に憤り
沖国大米軍ヘリ墜落20年で集い
「普天間基地の即時閉鎖を」
米軍普天間基地(沖縄県宜野湾市)に隣接する沖縄国際大学に米軍ヘリが墜落した事故から20年がたった13日、「普天間基地の閉鎖を求め、平和の尊さを語りつぐ集い」(同大主催)が構内の墜落現場で開かれました。
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安里肇学長は「20年たっても変わらない現状に憤りを感じる」と述べ、日米両政府に普天間基地の即時閉鎖、撤去を求めました。
学生2人が意見発表し、経済学部3年の儀保裕一朗さんは、日本の人口から見て少数派の県民の声が見過ごされやすいため、沖縄に基地が押し付けられているのではないかと指摘。「状況を変えるには、多数者側の本土の人々の理解が何よりも重要」と述べ、沖縄の基地問題に向き合ってほしいと訴えました。
同学部4年の謝花美生さんは、普天間基地の返還と引き換えに、名護市辺野古に新基地建設が強行されていることについて、「宜野湾市民の苦しみを辺野古の住民が代わって甘受することにもなりかねません」と強調。沖縄への基地の集中を見逃し続けてよいのかと問いかけました。
当時、炎上する機体を間近に見たという元学生の男性(39)は、20年の節目で現場を訪れ、「基地は今も残り何も変わっていない。それでも黙っているのはよくないし、関心を持ち続けられるよう周りの人に語っていきたい」と話しました。
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沖国大米軍ヘリ墜落 2004年8月13日午後2時15分ごろ、普天間基地所属の米海兵隊大型ヘリCH53Dが大学本館(1号館)に激突。日米合同委員会の報告書によると事故原因は「整備不良」。ボルトの緩みで尾翼部分が墜落現場から400メートル手前の公民館に落下するなど、被害は周辺にも及びましたが、奇跡的にも人的被害はありませんでした。