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2024年8月12日(月)

主張

教育のつどい

貴重な実践交流 希望つかもう

 「みんなで21世紀の未来をひらく教育のつどい―教育研究全国集会2024」(実行委員会主催)が16~18日に大阪市内で開かれます(一部オンライン併用)。

 「教育改革」の名で上意下達の指示・命令が次々出され、教職員が子どもに寄り添った教育をするのを困難にするなかで、全国から教職員、保護者、市民らが集まり、多彩なテーマでリポートを持ちより、実践を交流して次へのエネルギーにする場です。

 小中学校の不登校が約30万人と過去最多となり、小中高生の自殺も最悪の水準です。一方で、長時間過重労働で教職員が疲弊し、精神疾患で休職した公立学校の教員も6千人を超え過去最多となっています。

■管理教育のなかで

 多くのリポートからは、管理や競争、教員の分断を乗り越え、子どもの目線に立って成長を見守ろうとする姿が伝わってきます。

 ある小学校の教員は「学校スタンダード」が子どもも教員も苦しめているのではないかと投げかけます。

 「移動教室は全員並んで歩く」「色のついた消しゴムはダメ」「発表は手をあげてから」など不必要に思われる細かいルールがあり、1年生でもそれからはみ出す子は困った子と見られる。管理職からは「決まりごとは徹底的に守らせるべきだ」と指導され、板書の仕方など「授業のスタンダード」も年々強まる。管理的な指導をする教師のほうが学校側の評価が高い―それが不登校を生み、教員自身の「しんどさ」になっていると吐露し、教員の「子どもを見る目」を問います。

■不登校の親として

 ある中学校の教員は、教師の権威や力で従わせる指導に反発するように荒れる生徒に向き合い、「どの子も見捨てない」という教師集団の共同の取り組みのなかで子どもの苦しみが分かるようになった体験をリポートします。同時に、自身の子どもが不登校になり、教員としての自負を砕かれながらもわが子と向き合った日々をつづっています。

 2年間、手紙を届け続けてくれた担任の先生や「登校拒否・不登校問題全国連絡会」との出会い、ひきこもりを経て動き始めた子どもの姿、教職に復帰し経験を生かして子どもや親に寄り添う活動を報告します。

 教員であり不登校の子の親でもある体験は他にも寄せられています。不登校の原因は家庭にあるのではという考え方から、管理に合わせられない子が学校を避けている、公教育はこれでいいのかと問いはじめた変化も語られています。

 ジェンダー平等と性教育、1人1台のタブレット端末押し付けの「GIGAスクール構想」、戦争と平和を考える授業、主権者教育、学習指導要領を乗り越える授業、学校統廃合も、いま重要な課題です。

 管理主義の強化に抗して教員の同僚性を培い、共同して「子どもの最善の利益」のための教育をするには、定員増による教職員の長時間過密労働の解消、自主性の保障が強く求められます。新たな職位を設けて分断を持ち込む政府の施策をはね返す必要があります。

 そのためにも教員と保護者がともに悩みを出し合って交流する「つどい」は貴重な場です。多くの参加で希望を広げましょう。


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