2024年8月3日(土)
きょうの潮流
「ママ友という言葉が嫌いでした…」。オンラインで届いた保護者の一言に、思わず身を乗り出しました▼7月末、熊本市内で開かれた第56回全国保育団体合同研究集会「保育・子育てフォーラム」で大阪の保護者3人が報告しました。「ママ友つくれないだろうな」というあきらめ。つくれたとしても“トラブルの元”というイメージ。一つ一つの言葉にうんうんとうなずきながら、自身の子育てを思い出しました▼毎日を乗り切るだけで精いっぱい。子どものためにわざわざ友達をつくる気力など、残っていませんでした。保護者会がある保育園の話を職場で聞きながら、「ああ、うちには保護者会がなくてよかった」と。親の助けがあった自分でもそうでした▼転機は突然やってきました。わが子を通わせていた公立園に、民営化の話が持ち上がったのです。寝耳に水とはこのことかと。とりあえず行政の説明会に参加し、知り合った人たちと保護者会をつくりました▼休日に時間を割いて話し合い。何事もゼロから出発で大変でしたが「なんだ、つながった方が子育て楽じゃん!」。残念ながら民営化は止められませんでした。しかし、このつながりは消えません▼話し合いの場に連れられて来た子どもたちは時に真剣な、時にご飯を食べながらみんなで大笑いし、時にグダグダする保護者たちを見てきました。「なんか大人って楽しいかも」。せめてそんなふうに思ってくれたなら。実は身近に仲間はいる。その一歩を楽しく踏み出せますように。