2024年8月2日(金)
若者の声でスケボー大国
練習場 32カ所が475カ所に増
民青が署名呼びかけ全国へ
パリ五輪のスケートボード競技で、東京五輪に続いて日本選手が金メダルを獲得しました。日本をスケボー大国に押し上げたのは、身近にスケボーに接することのできる環境と、技を教えあい、たたえあう仲間の存在にあるといわれています。日本のスケボー愛好者たちは、地元にスケボー場をつくる運動をとおして、仲間意識をはぐくんできました。
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1990年代半ばから、身近に安全にスケボーを練習できる施設の要求が若者からあがっていましたが、実現は難航しました。
東京都中野区では95年、高校生たちがスケボー広場設置を求める署名720人分を集め、区議会に提出。しかし「適当な場所がない」と保留状態になりました。練馬区でも95年、スケボー場設置の区議会請願があがりましたが、継続審議の後、廃案となりました。
質問が転機に
運動の広がる転機が97年3月4日、日本共産党の大山とも子都議(現・団長)の質問でした。「スケボー広場など、中高生のための遊び場所の確保」のため、都有地開放や都立公園内の整備を求めたところ、青島幸男都知事(当時)は、「青少年には、スポーツやレクリエーションを大いに楽しんでもらいたいと思うのは、私も同感」と前向きに答えました。
スケボーを愛好する若者たちに、署名集めなどの活動を日本民主青年同盟(民青)が呼びかけ、全国各地に広がりました。
1999年には専門誌の集計で全国32カ所だったスケボー場は、25年後の今年、NPO法人日本スケートパーク協会の調査で公共施設だけでも475カ所に増加しています。
女子ストリート金メダルの吉沢恋選手、男子ストリート4位の白井空良選手が技を磨いた神奈川県相模原市の小山公園。2007年にスケボー場がオープンしました。03年、日本共産党の岩上よう子市議(当時)が、スケボー場設置を求めて質問していました。
愛好者が陳情
小山公園のスケボー場は、当初無料でしたが、2020年10月からおとな220円、子ども110円に有料化されました。日本共産党相模原市議団は、「子どもがお金を持って遊びに行くという場でないように無料の検討を」と有料化中止を求めました。昨年10月から市内小中学生は無料に戻されています。
男子ストリート金メダリストの堀米雄斗選手がスケボーをはじめたという都立大島小松川公園は現在、スケボーが禁止されています。
地元のスケボー愛好者たちが公園のスケボー利用を求めて21年、都議会に陳情。趣旨採択となりました。日本共産党の原純子都議は、「練習場所が確保できるよう、話し合いを望みます」と強調しました。
地域と良好な関係を築き、身近なスケボー場設置を求める若者たちの取り組みは続いています。(田代正則)