2024年8月1日(木)
34%賃上げで労働協約
米交通労組が鉄道公社と
53年間で最大
【ワシントン=柴田菜央】米国の航空や鉄道、運輸業などの労働者が加盟する米交通労働者組合(TWU)は30日、全米鉄道旅客公社(アムトラック)との新たな労働協約を承認し、7年間で34%の賃上げなどを勝ち取ったと明らかにしました。賃上げ率はアムトラック創設以来の53年間で最大。2022~28年の期間で適用され、労働者はさかのぼって全額を受け取ることができます。
TWUの発表によると、同労働協約の対象となるのは、アムトラックの列車の乗務員や食堂車で働く人など360人。協約は組合員の85%以上の賛成で承認されました。
TWUのジョン・サミュエルセン議長は「アムトラックの労働者は米国の運輸システムの中で欠かせない役割を担っている。この協約は生活の質を向上させる勝利だ」と述べました。
新協約には、有給の育児休暇制度も含まれます。1年間働けば10週間の育児休暇を取得できるようになります。同制度は来年から開始します。これは国内の他の鉄道会社の水準をはるかに上回るとされています。
TWU鉄道部門の責任者、ジョン・フェルツ氏は「育児休暇はこれまでの流れを一変させるものだ。全労働者の水準引き上げにつながる利益を提供することを誇りに思う」と語りました。
新協約による賃上げ、賞与、さかのぼって支払われる分の賃金などで、労働者は協約終了までにこれまでと比べて8万ドル(約1200万円)多く手にすることができる見込みです。