しんぶん赤旗

お問い合わせ

日本共産党

赤旗電子版の購読はこちら 赤旗電子版の購読はこちら
このエントリーをはてなブックマークに追加

2024年7月29日(月)

ベルリン プライドパレードに50万人

「民主主義と多様性守ろう」

写真

(写真)サウンドカーからプライドパレードを盛り上げる参加者たち=27日、ベルリン(吉本博美撮影)

 【ベルリン=吉本博美】ドイツの首都ベルリンで27日、LGBTQなどの性的少数者の権利をうたうプライドパレードが実施されました。「結束して民主主義と多様性を守ろう」をテーマに約50万人(主催者発表)が参加。市内は虹色の旗で彩られ、思い思いの衣装に身を包んだ人々が笑顔で行進しました。

 ベルリンのプライドパレードは1979年から毎年行われてきました。今年のパレードでは国内で右派勢力の伸長にともない、出生時に割り当てられた性別と性自認が異なるトランスジェンダーへの暴力が増加していることへの強い抗議が上がりました。

 デート相手を募集するオンラインサイトの安全性強化や、化粧品産業にジェンダーの境界線を取り払うことも要求しました。

 ブランデンブルク門で行われたフィナーレ集会では、著名ロック歌手のヘルベルト・グレーネマイヤー氏(68)が登壇。10代前半に髪を伸ばしアクセサリーをつけると母親から「女々しい」といわれ傷ついた経験を語り、LGBTQの権利啓発の運動が「見える世界をカラフルにし、私の心を解放してくれた」と発言。多様性を守るために共に闘い続けようとの訴えに大きな歓声が上がりました。

 参加者のアデレ・フィシャーさん(27)は、極右政党「ドイツのための選択肢」がSNSで「マッチョな男性像」こそ理想だと流布し、LGBTQへの偏見を広げていると批判。「極右の思考は時代錯誤で、誰もが自分らしく生きていいという価値観こそ今の時代のスタンダードだ」と話しました。

 ドイツでは4月に連邦議会で、トランスジェンダーの人々が行政手続きで登録されている性別を、手術要件なしに自己申告で自認する性別に変更するのを認める法案が可決され、8月から施行されます。欧州ではトランスジェンダーの人権を守るためのこうした改革が広がっています。


pageup