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2024年7月29日(月)

子ども医療費無償化

厚労省、また問題視

窓口負担復活促す通知

 18歳未満への医療費助成を独自に行う自治体へのペナルティーが長年の住民運動や日本共産党の議会論戦などに押されて4月から廃止されました。ところが厚生労働省は、子ども医療費無償化を問題視し、自治体に窓口負担復活を促す新たな通知(6月26日)を出しています。

 通知は、地方単独の子どもなどへの医療費助成制度に窓口負担を設けたり償還払いを行っている市町村に対し、市町村国保の補助金で2025年度からプラスに評価。具体的には国保の「保険者努力支援制度」の市町村指標において、子ども医療費助成制度で窓口無償化していない場合に加点し、さらに24年度に一部でも窓口負担を復活させた場合にも加点することとしました。これらの見直しは子ども医療費の窓口負担無償化をすすめる自治体への圧力になります。

 同省は昨年9月7日の審議会で、ペナルティーの廃止にともなう対象年齢拡大や窓口負担の無償化の拡充によって、▽抗菌薬の処方増加▽医療保険財政への影響などの課題が生じると主張。「こどもにとって真に必要な医療の提供・確保や医療保険制度の規律維持等」を理由に市町村国保の補助金(国保インセンティブ)で対応を促す方針を明らかにしていました。

 抗菌薬の処方増加には診療報酬などで処方抑制措置が既にとられています。

 政府は昨年12月に閣議決定した「こども未来戦略」の加速化プランでは子育て世帯の医療費負担軽減を掲げ、地方自治体の取り組みを支援するため、無償化に伴うペナルティー(国庫負担減額調整)を廃止しました。今回の措置との整合性について同省担当者は、不必要な医療費の増加を防ぐための措置だと答えました。

 同省が今月3日に審議会に示した子ども医療費の窓口負担が健康状態に与える影響の研究でも、窓口負担がある自治体では受診抑制が起こる確率が高い傾向が見られます。今回の措置は子どもの健やかな成長より社会保障費や医療費の抑制を優先する岸田政権の姿勢を示しています。


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