2024年7月28日(日)
法人化と権力介入ノー
学術会議巡り 学者ら6団体声明
![]() (写真)報告者の(左から)米倉、小森田、梶田の各氏と、司会の佐藤学・東大名誉教授、三成美保・追手門学院大教授=27日、東京都新宿区 |
日本学術会議を法人化する方針で政府が議論を急いで進めていることに対し、学者や弁護士らでつくる6団体が27日、東京都内でシンポジウムを開き、「法人化による権力介入に強く反対する声明」を発表しました。
政府が昨年末に決定した法人化方針は、外部者らが学術会議の会員選考や運営に関与する委員会や、大臣が任命する監事や評価委員会などの新設が柱です。
前学術会議会長の梶田隆章・東京大教授は、政府が2022年末に示した同会議の独立性を侵害する改悪法案への対応などについて「(内閣府側に)学術会議をより良くしようという根本的な考えが見えず、われわれの思いを届けるのは極端に難しいと痛感した」と報告。このまま法人化案が進めば「日本はナショナルアカデミーのない国になる」と強い危惧を表明しました。
元学術会議第一部長の小森田秋夫・東大名誉教授は、同会議は国の機関として、政府方針と一致しない「科学的助言」も行い、20年までは会員任命拒否がなく、独立した組織として機能してきたと強調。政府側の「独立性を高めるための法人化」という主張を批判しました。
学術会議会員への任命を拒否された一人の加藤陽子・東大教授はビデオメッセージで、「学問の自由、研究組織の自律性が確保されなかったことの帰結が原爆投下」だと指摘。学術会議を無力化する法人化の阻止を訴えました。
米倉洋子弁護士は、任命拒否の情報公開請求訴訟の経過を報告した上で、「法人化案は任命拒否の制度化・合法化」だと指摘。青井未帆・学習院大教授は、政府の動きについて、国家安全保障に学術専門家集団を組み込むための「破壊と浸食」などと指摘するメッセージを寄せました。









