2024年7月27日(土)
障害者の人権尊重を
やまゆり園8年 犠牲者しのぶ
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相模原市の障害者施設「津久井やまゆり園」で入所者ら45人が殺傷された事件から8年の26日、同市内で犠牲者を偲(しの)ぶ会が開かれました。事件を風化させず、差別を許さない社会を目指そうと、講演会と参加者同士のフリートークがあり、追悼の舞踊も披露されました。主催は地域住民らでつくる「共に生きる社会を考える会」です。
同園元職員の太田顕・同会共同代表は、この1年を振り返り、「一番印象的なできごとだったのは、旧優生保護法のもとで障害などを理由に不妊手術を強制された人たちが損害賠償を求めた裁判で、最高裁大法廷が同法は憲法違反だとして国に賠償を命じる判決を出したことです。しかし依然として差別は少なくなっていない」と話し、精神科病院での暴力事件などをあげました。「やまゆり園事件を振り返りながら、差別をなくす社会への第一歩にしたい」とあいさつしました。
日本・コリア・在日をつなぐ会@相模原共同代表の桜井裕司さんが「やまゆり園事件と相模原市の人権条例を考える」と題して講演。フリートークでは、神奈川県の障害者福祉があまりに貧弱で、施設もグループホームにも入れず県外に引っ越しせざるを得ない実態が出されました。
元「やまゆり園」職員の男性は「施設利用者である障害者は頭に手をもってきただけでビクッとする。暴力を日常的に受けている人が多いのではないか。人権条例は障害者を含めて尊重していくということに賛成だ」と発言しました。
障害のある当事者は「自分だけの意見だけでは、国も県も動かないんじゃないかと思う。こうした会で、みんなで一緒に取り組んでいくことが大事だと思う」と発言しました。