2024年7月27日(土)
きょうの潮流
三色旗を力強く掲げ人びとに決起を促す女性。ドラクロワの「民衆を導く自由の女神」は、フランス七月革命を描いた名作として知られています▼この気丈で生命力に満ちた女神マリアンヌは自由の擬人像といわれ、フランス共和国の象徴として今も国民から親しまれています。そのマリアンヌがかぶっていたのがフリジア帽。古代ローマで奴隷から解放され自由の身分となった者に与えられたのが起源です▼フランス革命時は自由・平等・博愛を表す三色旗とともに、民衆が身につけました。この赤い縁なし三角帽が開幕したパリ五輪のマスコット「フリージュ」のモデルです▼今大会は史上初めて参加選手が男女同数となりました。女子選手が五輪に出場するようになったのは1900年の第2回パリ大会からでそのときは全体のわずか2・2%。1世紀以上たってようやく肩を並べたことになります▼近代五輪の創立者クーベルタンはフランスの教育者でした。スポーツを通して世界中の若者たちに友好の場を設け、世界平和の促進に寄与する。いま、その理念がゆらぐ現実とともに、五輪のあり方にはいくつもの疑問符がついています。コロナ禍で強行した東京五輪はスポーツや五輪の意義を傷つけました▼パリ五輪のスローガンは「広く開かれた大会」。自由・平等・博愛を旨とする地で、スポーツやオリンピックへの信頼を取り戻せるか。競技を楽しみながらも、五輪が人類の価値ある祭典として引き継がれていくかどうかを見届けたい。









