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2024年7月25日(木)

パリ五輪ダンサー“拳” 非正規の低賃金に抗議

開会式にスト通告

 26日に開幕するパリ五輪の開会式に出演するダンサーら200人が23日、会場となるセーヌ川沿いで一斉に拳を突き上げ、労働条件と出演者間の報酬格差の改善を求める抗議行動をしました。アーティストらでつくる労組はこの問題で、開会式当日のスト実施を通告しています。

 労組「舞台芸術家組合(SFA)」によると、開会式に出演予定の3000人のダンサーや俳優のうち、非正規雇用の200人以上が低賃金での労働を余儀なくされ、交通費や宿泊費の支給もありません。他方、劇団に所属し団体交渉が可能だった演者には放映権に伴い最大1600ユーロ(約27万円)の報酬が支払われます。

 SFAは、すべての出演者に団体協約に基づく報酬を支払うよう要求し、開会式でのストを通告。「明白な不平等と差別」が改善されなければ「パラリンピック開会式のリハーサルでもストを実施せざるを得ない」と警告しました。

 開会式のチケットの値段は900~2700ユーロ(約15~46万円)に達します。SFAは、得た収入を労働者に適切に還元するよう要求しています。

 拳を突き上げるポーズは、1968年のメキシコ五輪の陸上競技で表彰台に立った米国代表の黒人選手が人種差別への抗議として行ったもの。今回の抗議では「労働条件への不満を示す」(SFA)ため採用されました。(桑野白馬)


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