2024年7月20日(土)
2024米大統領選
トランプ氏、指名受諾演説 共和党大会
団結よびかけるも反省なし
【ミルウォーキー(米ウィスコンシン州)=洞口昇幸】11月の米大統領選で再選を狙うトランプ前大統領(78)は当地で開かれている共和党全国大会最終日の18日、党大統領候補の指名受諾演説を行いました。トランプ氏は「米国の半分ではなく、全体のための大統領になる」などと述べ、自身の勝利に向けた“団結”を呼び掛けました。
銃撃で右耳を負傷した13日の事件後の初演説です。命に別状がなかったことについて「私がこの場に立っているのは全能の神の恩恵によるものだ」と狂信的な支持者と同様のことを主張しました。
「われわれの社会の不和と分断は癒やされなければならない。われわれは米国人として一つの運命と共通の運命で結ばれている」と述べました。
しかし、不和や分断につながったこれまでの自身の人種差別的な発言や憎悪を助長する言動、前回大統領選での敗北を認めない態度が連邦議会襲撃事件を招いたことなどについてほとんど触れず、反省の態度を示すことはありませんでした。
トランプ氏は、民主党のバイデン現政権下で「米国は衰退の一途をたどっている」と述べて批判を展開。「壊滅的なインフレ危機を直ちに終わらせる」と述べました。
また移民について「彼らは監獄から来ている」と敵視するなど従来の主張を繰り返しました。1期目の時に着手した南部国境での壁建設を完成させるとし、「国境を閉鎖し、不法移民の危機を終わらせる」と公約しました。
ロシアのウクライナへの侵略戦争、イスラエルのパレスチナ自治区ガザへの軍事侵攻などを巡っては、「私は1本の電話で戦争を止めることができる」と述べたものの、その根拠や具体的な措置は明らかにしませんでした。「米軍を再建する」と語り、ミサイル防衛の拡大強化も主張しました。
トランプ氏は、飲食店で働く人などが受け取るチップへの課税廃止を含む「労働者への大規模減税」を掲げました。一方で1期目よりも大幅な大企業・富裕層減税を行うことも強調しました。