2024年7月18日(木)
きょうの潮流
「描きたいという欲求」と題して塾生が課題にとりくむ思いをブログにつづっていました。自分の中の描きたい気持ちを大切に、どうすればイメージに近づけるのか。その試行錯誤の過程も楽しみつつやっていこうと▼キャラクターに宿る生命力や感情。多くの心を揺さぶる作品をつくるために日々研さんしているスタッフや塾生。卓越した作画技術や映像の美しさで知られ、国内外で人気を博す京都アニメーションの日常です▼アニメを通じて果てしなく広がる夢。1本の線を描くのにも長年培った技術と深い想(おも)い。子どもたち、そしてすべての世代に届く確かな映像と物語―。碑文には、夢と情熱を受け継いでいく強い意思が込められています▼36人が死亡し、32人が重軽傷を負った戦後最悪の殺人事件といわれる京アニ放火殺人事件から、きょうで5年。京都・宇治市の公園に建立された「志を繋(つな)ぐ碑」には、36羽の鳥が空へと飛翔する姿がデザインされています▼慰霊碑ではなく、事件にかかわったすべての人びとの志をつなぎ、長く記憶にとどめる象徴として設けられたものだと。完成式典であいさつした遺族は「亡くなったスタッフの情熱と技術は、今もみなさんの中で生き続けている」と話しました▼事件の後遺症に苦しんでいる人たちは今も。その犠牲者の無念のさけびを、1本1本の線や一つ一つの作品に刻んできました。世に憎悪や分断が広げられる中で、生きる勇気や希望を人から人へつなげ、未来に羽ばたくことをねがって。








