2024年7月17日(水)
東アジアの平和と日韓友好のために
韓国大使離任 志位議長があいさつ
日本共産党の志位和夫議長が16日の尹徳敏(ユン・ドクミン)駐日韓国特命全権大使の歓送会(日韓議連主催)で行ったあいさつは次の通りです。
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尹徳敏駐日大使の離任にあたり、日本共産党を代表して一言ごあいさつを申し上げます。
大使が、2年前に日本に着任され、わが党本部にごあいさつにこられたさいに、「一刻も早く日韓関係を友好関係に戻していきたい」と言われました。その後、日韓両国関係が改善し、両国民の往来も盛んになってきたことは、喜ばしいことであり、大使の尽力に心からの敬意を申し上げます。
東アジア平和構築での協力を
東アジアでどうやって平和をつくっていくかについて、大使と何度か意見交換をさせていただく機会がありました。私は、ASEAN(東南アジア諸国連合)と協力し、ASEAN10カ国と、日本、韓国、中国、米国など8カ国が参加する東アジアサミット(EAS)の枠組みを活用・発展させ、地域のすべての国を包摂(ほうせつ)する形で、東アジアの全体を東南アジアのような戦争の心配のない地域にしていくという外交努力が重要ではないかとお話ししました。
その後、今年5月に、ソウルで日中韓首脳会議が開催され、ASEANと協力して、東アジアサミット、AOIP(ASEANインド太平洋構想)、ASEAN地域フォーラム(ARF)などを発展させていく方向が、共同声明に明記されたことは、重要だと考えています。
東アジアの平和構築のための協力を願うとともに、大使がこれからもお元気でご活躍されることを願うものです。
戦後80年――歴史に真摯に向き合う
来年は戦後80年の節目の年となります。私は、日本と韓国とが本当に心の通った友好関係をつくるためには、過去の歴史問題に対して日本が誠実に向き合うことが必要だと考えております。とくに、1990年代につくられた三つの重要文書――「村山談話」(95年)、「河野談話」(93年)、「日韓パートナーシップ共同宣言」(98年)の核心的内容を継承し、それにふさわしい行動をとることが重要だと考えます。
日韓両国のさまざまな懸案――(戦争中の労働者、軍人、軍属の)遺骨返還問題を含む諸懸案を解決していくうえでも、日本が過去の歴史問題に真摯(しんし)に向き合うことがたいへんに重要であり、そういう立場で力をつくしていきます。
在日韓国人のみなさんの権利・人権を守る
最後に、在日韓国人のみなさんの権利・人権という点では、被選挙権を含む地方参政権を一日も早く実現し、ヘイトスピーチやヘイトクライムをなくすなどの課題を、政治が責任をもってすすめるために、わが党も力をつくしていきます。
大使のご尽力に重ねて感謝し、そのご健勝を願い、両国・両国民の友好のために私たちも力をつくすことをのべて、ごあいさつとします。