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2024年7月10日(水)

還流要望者 明かさず

東京地裁 被告の安倍派会計責任者

 自民党安倍派(清和政策研究会)の政治資金パーティー裏金事件で9日、政治資金規正法違反(虚偽記載)罪に問われた松本淳一郎被告(76)=同派会計責任者=の公判が東京地裁(細谷泰暢裁判長)でありました。検察側の被告人質問で同被告は、パーティー券の販売ノルマ超過分を議員側に還付(還流)する取り扱いの再開を要望した人物について語らず、真相解明に背を向けました。

 松本被告は弁護側の被告人質問(6月18日)で、2022年4月に安倍晋三会長(当時)が還付を「やめたほうがいい」と発言して中止の方針が決まったと証言。同年7月8日に安倍会長が銃撃事件で死去すると、同派幹部から「ある議員が還付してほしいと言っている」との声が上がり、翌月の幹部会合で「還付を求める議員は複数いる。やむなしということで、還付を再開することに決まった」と説明していました。

 9日の公判で検察官は「この幹部はどなたですか」と問いましたが、松本被告は「ご本人が『それは私だ』とおっしゃらないようなので、名前については差し控えさせていただきたい」と述べて真実を語りませんでした。

 検察官は「ある議員とはどなたですか」とも問いましたが、松本被告は同じ理由で黙秘しました。

 これまでの松本被告の証言によると、還付の再開を決めた幹部会合には、下村博文、西村康稔、塩谷立の各衆院議員と世耕弘成参院議員が出席しました。

 国会の政治倫理審査会で世耕氏は「(22年8月の会合で)何か確定的なことは決まらなかった」と主張。還付を再開した経緯は不明だとして「誰が決めたか私も知りたい」と述べていました。ほかの幹部も同様に再開の経緯を語っておらず、松本被告の証言との整合性が問われます。


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