2024年7月2日(火)
「安保法制は違憲だ」
集団的自衛権行使容認10年 法律家が告発
![]() (写真)発言を聞くシンポジウム参加者=1日、東京都千代田区 |
第2次安倍政権が一片の「閣議決定」で違憲の集団的自衛権行使容認に踏み切ってから1日で10年を迎えました。閣議決定に基づく違憲の安保法制=戦争法の強行(2015年9月)に対して、10万人を超える人々が国会を包囲し、反対の声をあげました。当時、異議を唱えた法律家が1日、都内の弁護士会館で開かれたシンポジウム(主催・第二東京弁護士会)で「それでも安保法制は違憲だ」と告発しました。
宮崎礼壹・元内閣法制局長官は、集団的自衛権の行使は他国の武力紛争への介入であり、憲法9条1項は「武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する」と明記しており、他国の武力紛争への介入を明確に禁止していると指摘。さらに、集団的自衛権の行使は憲法上できないという見解は1972年の政府答弁以後、国家として積み重ねてきた解釈であり、これを覆すのは明確な違憲だと指摘しました。
2015年の衆院憲法調査会で安保法制に異議を唱えた小林節・慶応大名誉教授は、現憲法下では国軍も自衛戦争も認められていない以上、海外派兵を行うためには憲法改正しかない、と安倍晋三首相も認識していたと指摘。解釈変更で集団的自衛権の行使容認を強行した安倍政権を厳しく批判しました。
濱田邦夫・元最高裁判事は、安保法制廃止のためには「政権交代しかない」として、多くの有権者に国民主権を行使するよう期待を示しました。