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2024年7月1日(月)

きょうの潮流

 「いつまでも壊れた家が並ぶ光景を見続けるのは、ほんとうにつらい」。能登の輪島で製塩業を営んできた男性の声には、いらだちが込められていました▼変わらない崩れた町の姿。朝市に構えていた自身の店も倒壊し、先行きは見通せません。不安だけが募るなか、商店の仲間たちと励まし合い、なんとか前を向いて生きようと努める日々だといいます▼能登半島地震から半年。生活の再建がまったく描けないとの訴えは被災地のどこからも。実際、能登では100をこえる事業所が廃業を余儀なくされ、地域を長く支えてきた所も次々と閉じています。人口流出も加速し、インフラが復旧されても町のありようは…▼被災家屋の公費解体も滞っています。申請にたいし、完了したのはわずか数%。手続きの煩雑さに加え、人手が圧倒的に不足しているのが実情です。復旧工事では資材の不足も進まぬ要因に。これでは、能登は見捨てられたと多くが嘆くのももっともです▼被災地では、自分も復興の力になりたい、困っている人の役に立ちたいと奮闘する若者たちの姿があります。それはボランティア活動をはじめ、全国からも。先日は長野県の民青の学生らが能登を訪れ、仮設住宅でくらす被災者のつらさや要望を聞き取っていました▼地域の未来をになう若者の息吹と、支援の輪のひろがり。一方でなりわいの再建に立ちはだかるさまざまな壁。いま求められていることは何か。希望はどこにあるのか。被災地の現状から見えているはずです。


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