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2024年6月20日(木)

主張

規正法案強行成立

あらわになった抜け穴と改悪

 「真摯(しんし)に反省」と口にするも、自ら引き起こした違法な裏金づくりの真相解明は最後まで拒み続け、抜け穴だらけの制度改悪案を「数の力」で押し通す―民主政治を破壊する許されない暴挙です。19日の参院本会議で自民党は公明、維新両党との「修正合意」で衆院を通過させた政治資金規正法改定案(自民案)を公明と強行成立させました。

 参院で日本共産党は「企業・団体献金全面禁止法案」と「政党助成法廃止法案」を提出して国民の求める政治改革を迫り、論戦を通じて自民案の抜け穴・改悪ぶりを明らかにしました。

 世論調査では岸田文雄首相の裏金問題の対応について「評価しない」は83%、自民案が再発防止に「効果がない」は77%にのぼります(「朝日」18日付)。本来ならこの世論にこたえ法案の見直しが必要なのに岸田首相は23日までの会期内成立に固執。与党は一方的に審議を打ち切り採決に持ち込みました。民主政治の根幹にかかわる法案を数の力で成立させることは、国民の政治不信をいっそう広げるもので断じて許されません。

■まともな反論不能

 与党が強行した自民案の最大の問題は、政治改革の核心である企業・団体献金禁止に一切手をつけず、温存していることです。「全面禁止法案」を提出した日本共産党は、企業・団体献金によって財界の要望する予算編成や制度変更が行われた事実を示し、その賄賂性を浮き彫りにしました。岸田首相や自民案の提出者はまともに反論できなくなりました。

 裏金の原資となった政治資金パーティー券購入は、「抜け道」を使った企業・団体献金に他なりません。自民案は購入者の公開基準を現行の「20万円超」から「5万円超」に引き下げたことを「透明性の確保」と言いますが、複数回開催したり、企業幹部が分担購入すればこれまでと変わらず非公開です。

 政党本部から党幹部に渡されてきた「政策活動費」は、規正法上に規定のない、支出の実態を隠すための脱法的な闇金です。自民案はこの「政策活動費」を規正法に新たに書き込み、闇金を合法化するものです。「政策活動費」の領収書や明細書などの公開は10年後としています。規正法違反は時効5年のため公開後に不正が発覚しても罪に問うこともできません。

 政治資金を「国民の不断の監視と批判の下におく」との規正法の理念に真っ向から反します。日本共産党が求めるように政党から政治家個人への政治活動に関する寄付禁止が必要です。

■深刻な矛盾に陥る

 自民案は、収支報告書の要旨の作成・公開義務の規定を削除しています。過去の「政治とカネ」の問題を隠蔽(いんぺい)し追及を逃れる改悪で決して認められません。この問題を徹底的に追及したのは日本共産党でした。

 日本共産党は、金権腐敗政治の根絶には、企業・団体献金の全面禁止と政党助成金の廃止を一体で行うことが必要だとして両法案を30年間国会に提出し続けてきました。企業・団体献金禁止はいまや与党以外の共通要求になっています。強行成立させても自民案が国民との間で深刻な矛盾に陥るのは必至です。


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