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2024年6月18日(火)

世界の核弾頭1万2000発も

2100発が数分以内に発射可能

保有国ほぼ全て増強推進か計画

国際平和研究所

 スウェーデンのストックホルム国際平和研究所(SIPRI)は17日、米ロ英仏中にインド、パキスタン、イスラエル、北朝鮮を加えた9カ国の保有核弾頭数が、今年1月時点で推定1万2121発だったとの報告書を発表しました。9585発が使用可能な状態にあり、うち3904発がミサイルや航空機に配備されているとしています。

 保有数の9割をロシア(5580発)と米国(5044発)が占めます。中国は前年から90増やし500発とし、「他の国よりも核増強を加速させている」(シニアフェローのハンス・クリステンセン氏)と分析。北朝鮮も推定で同20増の50発、インドも8増です。

 中国、北朝鮮、インドの3カ国以外は前年と同数、または減少していますが、報告書は「ほぼすべての核保有国が核戦力の増強を推進するか、計画を持っている」と指摘。保有する核弾頭数を引き上げる計画を2021年に発表している英国、新世代の戦略原子力潜水艦の開発計画を続けるフランスなどの例をあげました。

 配備中の弾頭は前年より60以上増え、うち約2100発が、数分以内に発射可能な「高度警戒態勢」に置かれています。米ロのものがほぼすべてですが、中国も複数の核弾頭を高度警戒態勢に置いたと推定しました。また、各国が弾道ミサイルに複数の弾頭を搭載する多弾頭化技術の開発を推進しているとしています。

 SIPRIのダン・スミス所長は、「冷戦時代の兵器の廃棄が進んだことにより、核弾頭の総数は減っているものの、運用可能な核弾頭数は年々増加し続けている」と指摘。「この増加傾向は今後も加速する可能性が高く、極めて懸念すべき事態だ」と警鐘を鳴らしました。


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