2024年6月7日(金)
無償化へ半額早く
学費値上げ 東大は逆行
学生・院生ら撤回求め決議
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東京大学が授業料値上げを検討していることに対し、東京都文京区の同大内で6日、学生や院生らが学費値上げ反対全学緊急集会を開き、値上げ案の撤回などを求める決議を全会一致で採択しました。決議は、同大が予定する「総長対話」で学生の意見を聞き入れることや対面での開催、別の公開の場で学生諸団体と交渉することを要請。総長などに届ける予定です。
集会を主催したのは、学費値上げ反対アクション文学部連絡会。1、2年全員が加盟する教養学部学生自治会の理事会やクラスと多くのサークルが加盟する学友会学生理事会など9団体が開催に賛同。約400人が集まりました。
同大の教授らによると、大学側は物価高騰を理由に、来年度から学部・修士・博士課程の授業料を年10万円程度値上げしようとしています。授業料全額免除の対象を現在の年収400万円世帯から600万円に拡大するとしています。
大学院教育学研究科の本田由紀教授は「値上げは、大学への公的費用支出が少なく、私費に依存するいびつな構造を悪化させる」と説明。同研究科の隠岐さや香教授は「大学は漸次無償化をめざすべきであるのに逆行している」と批判しました。人文社会系研究科の鈴木泉教授は「学費値上げで女子学生や地方出身者など大学の多様性が減少する」と訴えました。
高等教育無償化プロジェクトFREE東大の学生は調査を踏まえて「全国の国公私立大学の値上げにつながる東大の学費値上げは容認できない。東大に求めたいのは、国に高等教育予算の拡充を求めること」と語りました。