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2024年6月4日(火)

主張

天安門事件35年

社会主義も人権も無縁の蛮行

 中国で民主化を求める学生、市民らの非暴力の行動を当局が武力で弾圧した天安門事件から4日で35年です。中国共産党は、「社会主義の国家政権と人民の根本利益を守った」(2021年の「歴史決議」)と正当化していますが、人権保護とも社会主義とも無縁の暴挙だったことは明白です。その誤りは今日も厳しく問われ続けています。

■日本共産党は糾弾

 日本共産党は当時、ただちに「中国党・政府指導部の暴挙を断固糾弾する」と中央委員会声明を出し、厳しく抗議しました。「民主主義の発揚と人権の尊重を基本とすべき科学的社会主義の立場を堅持する」党としての表明でした。事件から9年後の1998年に中国共産党と32年ぶりに関係を正常化した両党会談でも、「言論による体制批判にたいしては、これを禁止することなく、言論で対応する」ことを求めました。

 中国では今も自由や権利への抑圧は続いており、香港では天安門事件の追悼集会が2020年から禁止され、5月には天安門事件に関するインターネット投稿をめぐり、3月施行の「国家安全条例」違反容疑で初めての逮捕者が出ました。

 国連憲章は「人権及び基本的自由を尊重する」ための国際協力の達成を目的の一つに掲げています。国連総会が1948年に決議した世界人権宣言は、「すべての人民とすべての国とが達成すべき共通の基準」としてさまざまな人権を規定しました。人権の無視が「人類の良心を踏みにじった野蛮行為」(宣言前文)をもたらしたという第2次大戦などの教訓を踏まえたものです。66年に採択された国際人権規約も、万人の人権を認めることが「世界における自由、正義および平和の基礎」だと強調しています。これらの意義は、ロシアのウクライナ侵略が国内の人権抑圧と一体であることをみても明らかです。

 自由と人権の発展は国によりさまざまな過程があり、93年の世界人権会議で採択されたウィーン宣言は、内政干渉など「自決権の否定は人権の侵害」として各国の自決権を認めています。同時に、人権と基本的自由の「促進と保護」は「政治的、経済的、文化的体制のいかんにかかわらず、国家の義務」と明記しました。

 人権蹂躙(じゅうりん)への国際的な批判を、内政干渉を理由にはねつけることは許されません。

■国際基準で行動を

 一連の自由と人権に関する国際的な規定は、長期にわたるたたかいで勝ち取られた人類の重要な成果です。中国政府はそれら国際的な取り決めにいずれも署名し、支持しています。その表明にふさわしい国際的な人権基準に沿った行動が強く求められます。

 日本共産党は、日本における社会主義・共産主義社会では、旧ソ連や中国のような「一党制」や人権抑圧を絶対に起こさず、資本主義の時代に獲得した自由、民主主義、人権、個性を発展させると、党の綱領で明確にしています。「人間の自由」こそ社会主義・共産主義の目的であり、最大の特質です。その立場から日本での人権と自由の擁護・発展と、真に平和な地域と世界を築くため、力をつくします。


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