2024年6月3日(月)
きょうの潮流
狢と書くムジナは、アナグマの異称で、毛色が似ていることからタヌキをそう呼ぶこともあると辞典にあります。違うように見えても実は同類であることを「同じ穴のむじな」というと▼ひとを化かし悪さをするところも同様で、多くは悪事を働く者たちに使われてきました。いま、このことわざが政界で飛び交っています。裏金事件を受けた自民党の政治資金規正法の改定案をめぐって▼「英断を示した」と公明党の山口代表がもちあげれば、岸田首相は「踏み込んだ案を決断した」と重々しく。しかし合意案は巨額の裏金や公金を利用して好き放題やってきた自民党政治に渦巻く不信や怒りに背をむけています▼金権腐敗の根源である企業・団体献金の禁止もなく、使途を明らかにしない政策活動費も温存。本丸には手を付けず、小手先の対策で国民をごまかそうとするものです。以前、山口代表は「同じ穴のむじなとは見られたくない」と口にしていましたが、やっぱり自民と公明は同じ穴のむじなだったと批判されています▼ことわざの由来には、アナグマの掘った穴にタヌキも住み着くことがあるからとも。その“一つ穴”に入ってきたのが日本維新の会です。他の野党と一致して企業・団体献金の禁止や政策活動費の廃止を迫っていたのに、それをほごにして▼政治とカネの問題をどう解決していくか。求められている改革からかけ離れたところで仲良くムジナ穴に収まる自公維。国民のくらしは悪くなるばかり。だまされてなるものか。