2024年5月31日(金)
きょうの潮流
きょう31日は、世界保健機関(WHO)が定める「世界禁煙デー」。たばこは人体に悪影響を及ぼすだけでなく、年間4兆5千億個ものポイ捨て吸い殻は、海や川などの環境を壊します▼1989年に制定され、今年のスローガンは「たばこ産業の干渉から子どもたちを守る」。日本でも31日からの1週間を禁煙週間とし、著名人を招きイベントが行われます▼芸能界で禁煙に挑戦した一人、お笑い芸人サンドウィッチマンの伊達みきおさん。2021年にステージ1の膀胱(ぼうこう)がんと診断され、ブログで禁煙の決意を表明すると、賛同の投稿が相次ぎました。著名人の禁煙発信が市民の禁煙促進に▼政界では自民党の茂木敏充幹事長とたばこの問題が話題です。至る所に喫煙場所を求め、官僚の間では「接遇メモ」まで用意されているとか。禁煙ジャーナル編集長の渡辺文学(ふみさと)さんは「自民党のNo.2が喫煙者では、国会の『タバコ規制対策』が進展するはずがありません」▼国際的な問題にもなっています。日本たばこ産業(JT)はロシア国内での生産・販売によって、毎年3千億~4千億円もロシアに納税。このためウクライナから「戦争支援企業」との批判が▼日本ではJTが喫煙所を設置、維持費を公費でまかなって喫煙環境を提供しています。JTはたばこの未来を危惧し市場創出へ新製品を開発していますが、筆頭株主は財務省です。「国が構造的に喫煙者に仕立て上げている」と渡辺さん。たばこをめぐる問題の本質は政治問題と指摘します。