2024年5月29日(水)
同性ペアに事実婚と同じ表記
長崎・大村 住民票に「夫(未届)」
長崎県大村市に住む男性の同性カップルが今月2日、住民票の続き柄欄に「夫(未届)」と記載して申請し、受理されていたことが分かりました。これまで異性の事実婚に利用されてきた表記が、同性カップルにも適用されました。当事者は28日、記者会見で、「異性の婚姻関係と変わらない生活をしているので、本当にうれしい」と喜びを語りました。
カップルは、松浦慶太さん(38)と藤山裕太郎さん(39)。2人によると、2018年に知り合い、20年に兵庫県尼崎市でパートナーシップ制度を利用し、23年に結婚式をしています。藤山さんが生まれた長崎県で暮らすため、パートナーシップ制度を同年10月に導入している大村市に今年3月転居。4月には同市でパートナーシップ制度の手続きをすませています。転居に伴う生活の変化で、事実婚関係が証明されると有利になる事態に直面しました。今月2日、世帯を一つにするさい、松浦さんを「世帯主」、藤山さんを「夫(未届)」と表記することを求め、認められました。
記者会見で、藤山さんは、「市には前例のない先進的なことをしてもらった。同じように続く自治体ができて、性的マイノリティーが住みやすい社会になってほしい」と語りました。松浦さんは、「パートナーシップ制度は法的効果がないといわれるが、事実婚が認められれば、さまざまな権利が使えるようになる」と強調しました。