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2024年5月18日(土)

きょうの潮流

 加害者に加担する法をごり押しするな。弁護士はいいます。子どものためにならない。親は訴えます。24万人をこえた反対署名は実質的な「離婚禁止制度」だと▼婚姻中の父母に認められる共同親権を離婚後も可能とする改定民法が成立しました。現行法でも共同養育は選べるのに、虐待やDV加害者に「武器」をあたえ、リスクが増すだけの法をなぜ早急に通すのか。不安の声はひろがっています▼「最大の問題は離婚する父母の合意がなくても裁判所が共同親権を定めうる点だ」。採決に反対した共産党の山添議員は、審議でも弊害を懸念する発言が相次いだとして、国民的な合意なくして押し切ることは許されないと批判しました▼家裁に丸投げするのか、暴力や虐待にさらされた被害者をさらに追い詰めるのか。子どもの意思や決定権はどこまで反映されるのか―。親子の関係と家族のあり方を左右する戦後民法の根本にかかわる改定にもかかわらず、問題や不備はつきません▼だいたい夫婦別姓や同性婚はいつまでも認めないのに、立法事実さえなきに等しい共同親権はさっさと通す政治とは。それを「家族関係の多様化に対応した見直し」というのか▼戦前の親権者は父親でしたが、今は離婚後の親権の9割近くを母親が占めます。そこには家庭や子育てのありようが表れています。個人の尊重を最も大切な価値とする憲法にも反する合意のない共同の強制。改定法は2年以内に施行されるといいますが、あきらめるわけにはいきません。


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