2024年5月17日(金)
リニア工事で水位低下
岐阜・瑞浪 ため池・井戸に影響
![]() (写真)水位が下がって底に亀裂が生じた池=16日、岐阜県瑞浪市(撮影・小関祥子党東濃西地区委員長) |
JR東海がリニア中央新幹線(東京・品川―名古屋間)の日吉トンネル(14・5キロ)掘削工事を進めている岐阜県瑞浪(みずなみ)市大湫(おおくて)町で、ため池や井戸などの水位が低下していることが16日までに分かりました。同社は、周辺で他に大規模な工事が行われていないことなどから「リニアの工事による影響の可能性が高い」としています。住民らは生活への影響を懸念しています。
JR東海によると、昨年12月と今年2月にトンネル内で湧水が発生しました。2月下旬に観測用の井戸で水位の低下を把握。瑞浪市内の32カ所を調べたところ、集落に水を供給する共同水源3カ所、個人宅の井戸9カ所、ため池2カ所の計14カ所で水位の低下が確認されました。共同水源のうち1カ所は枯渇し、井戸の新設や上水道の工事を同社の負担で進めます。
大湫町で湧き水を生活に利用する女性(78)は、ため池の水位が明らかに下がったとして「地下水が枯れたら私は生活できません。リニアの工事は止めてほしいというのが本心です」と話しています。
リニアの工事実施計画の認可取り消しを国に求めている「ストップ・リニア!訴訟」の川村晃生団長(甲府市在住)は、山梨リニア実験線の工事でも沢の水枯れが起きたとして「リニアは全線の86%がトンネルで、どこでも影響が出るおそれがある。住環境を守ることや生態系の保全は二の次という姿勢は許されない」と述べています。









