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2024年5月10日(金)

同性パートナーの姓の変更を認める

名古屋家裁

 名古屋家裁が3月、同性パートナーと暮らす愛知県の男性に対し、「婚姻に準じる関係」として、パートナーと同じ姓への変更を認める審判をしていたことが9日、分かりました。

 代理人弁護士によると、男性は鷹見彰一さん=仮名、30代=で、パートナーの大野利政さん=同=と2018年から同居し、23年から里子を育てています。里子の養育に当たり、2人の姓が異なることで手続きがスムーズに進まない事態になるリスクを避けるために、同年11月に、同じ姓への変更を求める家事審判を申し立てていました。家裁は今年3月14日の審判書で、「婚姻し育児をしている異性同士の夫婦と実質的に変わらない生活実態にある」と認定。姓の変更について定めた戸籍法の「やむを得ない事由」に当たると判断しました。

 2人は、法律上同性の結婚を認めない現行の法制度は違憲だとして、国を相手に婚姻の平等(同性婚)を求める訴訟を起こしています。同様の訴訟は、全国5カ所で6件がたたかわれています。この訴訟の代理人弁護団の一員で、今回の家事審判の代理人も務める弁護士は、「依然として婚姻の平等の実現の課題は残されています。また、結婚を望む同性カップルの中には選択的夫婦別姓の実現を望む方などさまざまです」と述べています。

 鷹見さんは、弁護士を通じて9日、「今回の審判は、同じようなマイノリティーの人たちにとって、『認めてもらえるんだ、隠れて生きなくてもいいんだ』という気持ちにつながる内容だったと思う」とのコメントを出しました。


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