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2024年5月9日(木)

ラファ 病院対応困難

1キロ先に戦車 医療従事者退避

 【カイロ=秋山豊】イスラエル軍がパレスチナのガザ地区とエジプトの境界にあるラファ検問所を制圧し、部分的な地上戦を行うなか、ガザ南部ラファではイスラエル軍による大規模な地上侵攻を恐れ、病院から医療従事者が退避しています。

 ラファにあるクウェート病院のスハイブ・アルハムス院長は7日、本紙の電話取材に応じ、「イスラエル軍の戦車は私たちの病院からわずか1キロメートルしか離れていない」と語り、病院に支援に入っていた医療従事者らが緊急に退避していると話しました。

 アルハムス氏は「保健省で働く医師たちも職場を離れた。ガザ北部の病院の同僚たちがされたように、イスラエル軍による拘束や危害を恐れている」と語りました。

 アルハムス氏によると前日から激しい爆撃が続いています。同氏は「病院にはひどいけがを負った患者が大勢いるが、受け入れ能力の不足で対応が困難だ。レントゲンの機械も動かない。病院を長期間運営するには食料、医薬品、ベッド、設備、燃料が足りない」と嘆きます。

 イスラエル軍の攻撃によりラファでは死傷者が増えています。

 本紙の電話取材に応じたアブ・アメルさんは、4人の子どもとガザ各地で避難を繰り返し、ラファにたどり着きました。「イスラエル軍は住民に退避を命じたが、どこにも安全な場所はない。爆撃が続き、大砲の音が響いている。人々が殺されている」と言いました。

 ロイター通信は医療支援団体の話として、ラファ検問所が閉鎖され、病人と負傷者の搬送と、ガザへの薬の搬入が妨げられていると伝えました。

 エジプトは治療を要する負傷者などに限定してガザからの入国を認めてきました。ガザ保健省によると、7日は140人の患者がガザを離れる予定でした。

 ガザ中部のアルアクサ病院にいるラマ・アブホリさん(8)は足のけがの治療のためにガザを離れるはずでした。彼女は「検問所が閉鎖されて行けなかった。動揺している」とロイター通信に語りました。


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