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2024年5月6日(月)

主張

地方自治法改定案

狙いは「戦争する国づくり」

 連休明けの7日にも国会で地方自治法改定案が審議入りします。改定案は、政府が「国民の安全に重大な影響を及ぼす事態」と判断すれば、国に地方自治体への広範な「指示権」を与え、自治体を国に従属させる仕組みをつくるものです。狙いは、沖縄の辺野古新基地建設の強行に見られるように、住民の意思を無視して有無を言わさず自治体を国に従わせることです。

 憲法が保障する地方自治を根底から踏みにじるもので、絶対に許すわけにはいきません。世論と運動を急速に広げ必ず廃案にする必要があります。

■恣意的運用が可能

 法案は、「大規模な災害、感染症のまん延その他その及ぼす被害の程度においてこれらに類する国民の安全に重大な影響を及ぼす事態が発生し、又は発生するおそれがある場合」に、閣議決定で、住民の生命・財産を守るために「必要がある」とすれば、自治体に指示を出し義務を課せるようにするものです。

 災害や感染症を例示していますが、「その他」「これらに類する」など「事態」の範囲は極めて曖昧です。さらに、発生の「おそれがある」など判断はすべて政府に委ねられ、国会にも諮らず恣意(しい)的運用が可能です。

 いま政府は沖縄県民の民意も地方自治も無視し、法を悪用して名護市辺野古への米軍新基地建設を強行しています。こうした強権的なやり方を、国の指示権によって全国でやろうというのがこの法案です。

 憲法は地方自治を明記し、政府から独立した機能を持つ「団体自治」と住民の意思にもとづく「住民自治」を保障しました。戦前の中央集権的な体制の下で自治体が侵略戦争遂行の一翼を担わされたことへの反省からです。

■地方を従属させる

 しかし、歴代自民党政権は自治体の権限や財源を抑制し続けてきました。1999年の地方分権一括法では「地方分権」を掲げながら「法定受託事務」を温存し、自治体への指示、代執行など国の強力な関与の仕組みをつくりました。

 今回の改定案は、住民の利益を守る仕事である「自治事務」についても国の指示を可能にし、自治体を国に従属する立場に置くものです。地方自治を否定する憲法蹂躙(じゅうりん)です。

 岸田文雄政権は安保3文書にもとづき、軍事利用のために空港・港湾などの整備をすすめています。国と自治体が確認書を交わし、「国民の生命・財産を守る上で緊急性が高い場合」に「自衛隊・海上保安庁が柔軟かつ迅速に施設を利用できるよう努める」としています。政府は、自治体に自衛隊の優先使用を強制するものではないと説明しますが、改定案は、国が必要と判断すれば優先使用を指示することを可能にします。

 政府は法改定の理由にコロナなどをあげます。しかし能登半島地震に見るように、災害時に対応がすすまない大きな要因は、地方公務員を減らし地方の財源を削ってきたことです。必要なのは、迅速な対応ができる権限、財源、人を国が自治体に保障することです。

 安保3文書にもとづく「戦争する国づくり」のために地方自治を破壊する悪法は断固阻止しなければなりません。


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