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2024年5月5日(日)

きょうの潮流

 「少子化対策」。よく耳にする言葉ですが聞くたびに違和感を覚えます。出産や子育てを応援するというより「このままだと日本は大変なことになる。国のために、もっと子どもを産んでほしい」と言われているように感じるからです▼ある女性は「出生率と子育てが切り離されている気がする」と言います。責任を女性にばかり押し付け、妊婦や母親に冷たい社会では「安心して子育てできるとは思えない」と▼民間の有識者会議が4月に「消滅可能性自治体」のリストを公表しました。20歳~39歳の女性の人口が2050年までに半数以下に減る自治体を「最終的に消滅する可能性が高い」とし、全体の4割、744市町村がこれにあたると推計したもの▼これには「人口減少にはさまざまな背景があるなか、なぜ若い女性の減少が『自治体消滅』の指標になるのか」との批判が出ています。「子どもを産むのが女性の役割」と言われているようで、かつての大臣の“女性は産む機械”発言への怒りがよみがえります▼地方自治の専門家からは「自治体に責任転嫁せず、政府が何をするかが鍵だ」という指摘が。子どもを産むか産まないかを決める自由を保障し、希望する人が安心して子育てできるようにすることが国の責任です▼人間は人口増の手段ではありません。なにより大切にしたいのは、生まれてきた子どもたちが自分は大切にされていると思える社会であること。どんな生き方を選択しても自分らしく生きられる社会にすることです。


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