しんぶん赤旗

お問い合わせ

日本共産党

赤旗電子版の購読はこちら 赤旗電子版の購読はこちら
このエントリーをはてなブックマークに追加

2024年4月30日(火)

ガザ、酷暑が命奪う

 【カイロ=秋山豊】イスラエル軍が攻撃を続けているパレスチナのガザが猛烈な暑さに見舞われています。国連は、非人道的な環境で避難生活を強いられている住民の健康被害が増すことを懸念しています。

 28日に本紙の電話取材に応じたアワドさん(40)は中部デイルバラで避難生活を送っています。「プラスチックでできたテントの中はオーブンのようだ。爆撃と飢餓に加え、暑さが私たちの命を奪おうとしている」と語りました。

 気温が40度に達し、少なくとも2人が暑さで死亡しています。国連人道問題調整事務所(OCHA)によると25日、生後5カ月の女児が南部ラファのテントで亡くなりました。

 同じくラファに暮らすウィサムさん(39)は、義理の妹(19)が25日、北部ガザ市からラファに逃れてくる途中で熱中症にかかり死亡したと言います。彼女の母親も熱中症で昏睡(こんすい)状態です。ウィサムさんは「義理の妹は家が爆撃され、死と破壊から逃れようとしていた途中で命を落とした。戦争はもういやだ」と嘆きます。

 国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)は25日、「猛烈な気温が苦しみをさらに増している」と述べ、「病気の発生の新たな懸念を引き起こしている」と警告しました。

 前出のアワドさんは「避難者は過密状態で、きれいな水とトイレが不足し、薬も足りない。これに加え、高温が病気を増加させる」と話し、「気温が上がってハエや蚊がわき、サソリも出ている」と語りました。医療従事者は感染症、皮膚過敏症、シラミ症などの病気のさらなるまん延を懸念しています。


pageup