しんぶん赤旗

お問い合わせ

日本共産党

赤旗電子版の購読はこちら 赤旗電子版の購読はこちら
このエントリーをはてなブックマークに追加

2024年4月26日(金)

水俣病終わってない

進む高齢化、救済早く

2次訴訟原告 官邸前で訴え

 全ての水俣病被害者の救済を目指し、各地で裁判をたたかっている「ノーモア・ミナマタ第2次訴訟」の原告・弁護団ら約30人は25日、首相官邸前などで「水俣病問題はまだ終わっていない」などと訴えました。被害者の高齢化が進む中、政治的に問題を解決して早期に救済するよう求めました。


写真

(写真)首相官邸前で、「政治的解決で早期救済を」と訴える「ノーモア・ミナマタ第2次訴訟」の原告ら=25日、東京都千代田区

 「ノーモア・ミナマタ第2次訴訟」は、熊本、大阪、東京、新潟の各地裁に提訴されました。原告約1700人の平均年齢は75歳以上で、すでに約300人が亡くなりました。

 マイクを握った原告らは、昨年9月から続く大阪、熊本、新潟の各地裁判決で、多くの原告を水俣病患者だと認定したと指摘。いまだに救済されていない被害者がいると述べ、「生きているうちに救済を」と訴えました。

 熊本訴訟の原告の﨑代(さきしろ)義治さん(69)は、熊本県の旧龍ケ岳町(現上天草市)に生まれました。子どもの頃からメチル水銀に汚染された魚を毎日食べていたといいます。同級生は、わずか2年で申請受け付けが締め切られた特措法(2009年施行)で救済されました。他府県で仕事をしていた﨑代さんは同法の存在を知りませんでした。現行の補償制度では救済されません。

 提訴から約10年。各地裁判決が出たのは、まだ一部の原告です。﨑代さんもまだ判決が出ていません。今後、地裁判決が出た原告は高裁でのたたかいが控えており、裁判が長期化することは避けられません。

 官邸前で﨑代さんは、「もうすぐ70歳になり、もう後がない。(岸田)首相の力で政治解決してほしい」と訴えました。

 各地の原告・弁護団らはほかに、衆院第2議員会館や環境省の前でも訴えました。


pageup