2024年4月12日(金)
韓国総選挙 野党圧勝
尹政権への厳しい審判
【ソウル=栗原千鶴】韓国の総選挙(定数300)が10日、投開票され、野党「共に民主党」が過半数を超える175議席(小選挙区161、比例14)で大勝しました。現政権を痛烈に批判してきた新党「祖国革新党」の12議席など野党は合わせて192議席を獲得。尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領の少数与党、保守「国民の力」は108議席(小選挙区90、比例18)にとどまりました。任期を約3年残した尹政権に有権者が厳しい審判を下した形です。
「共に民主党」はソウルをはじめ首都圏や光州、大田の都市部、強い支持基盤を持つ全羅道で圧勝しました。仁川市で当選した同党の李在明(イ・ジェミョン)代表は11日、記者会見を開き、「今回の結果は、民主党の勝利ではなく、国民の勝利だった」と強調。「与野党で共に経済危機解消のために力を合わせなければならない。その先頭に立つ」と語りました。
野党は祖国革新党のほかに、改革新党が3議席、進歩党、新しい未来がそれぞれ1議席を獲得。改憲の議決や大統領の拒否権が発動された法案の再議決ができる3分の2には届きませんでしたが、野党の192議席は尹政権への大きな圧力となります。
敗れた国民の力のトップ韓東勲(ハン・ドンフン)非常対策委員長は同日、トップの座からの辞任を表明。「国民の意思を厳格に受け止め深く反省する。国民の意思に沿った政治をお願いする」と語りました。
正義党と緑の党の連合政党「緑の正義党」は、5選を目指した沈相奵(シム・サンジョン)氏をはじめ6議席すべてを失いました。
投票率は67%。1992年(71・9%)以来の高さでした。