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2024年4月8日(月)

きょうの潮流

 「過去は変えられないけど、未来は変えられる」。福島第1原発事故をテーマにしたオリジナルミュージカル「バックトゥザ・フーちゃんII」が発するメッセージです▼6歳から80代までの多様な世代が、歌と踊り、セリフや映像で、反原発を表現する舞台。4月下旬、東京・北区で催される本公演に向けレッスンを重ねています▼2022年、福島原発事故をめぐって最高裁は、「想定外」だから国に責任はないと判決。しかし、福島に住む人たちの生活が一変したのは現実のことです。住む家を追われ、生業(なりわい)を奪われ、放射線に悩まされてきました▼被害にあったのは人間だけではありません。原発事故による被災地域で動物たちを撮影したカメラマンの太田康介さんは、餓死した家畜の前でチクショーと叫びながらシャッターを切り続けたと言います。「ほんとうの“畜生”は自分たち人間だった」▼福井県の大飯原発や高浜原発の運転差し止めなどの判決を出した元福井地裁裁判長の樋口英明さんはこう指摘します。原発は自国に向けられた核兵器である。そして、能登半島地震の地で、20年前、珠洲原発の建設を食い止めた市民運動を例に、脱原発は未来を切り開く運動だと▼ミュージカルの作曲・指揮を担当する藤村記一郎さんは、公演が未来について考えるきっかけになるよう「一緒に歌って、一緒に考えてみませんか」と呼びかけます。原発廃絶のためになにが必要なのか。作品に込められた合言葉は“未来をひとまかせにしない”です。


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