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2024年4月8日(月)

ガザ危機半年

イスラエルと米 追いつめる世界の声

 「ジェノサイド(集団殺害)止めろ」「即時停戦を」―イスラム組織ハマスの襲撃と人質拘束への報復としてイスラエルのネタニヤフ政権がパレスチナ・ガザ地区への無差別の大規模攻撃を始めて半年となった7日、世界と日本で多くの市民が声をあげました。

「集団殺害止めろ」

 ガザでの死者が3万3千人を超え、飢餓が広がり、国際人道支援要員の殺害も続く中、イスラエルと最大の支援者・米国は、高まる各国の世論・運動からの非難にさらされ、国際的に孤立しています。

 国連安保理は3月に即時停戦を要求する初めての決議を採択しましたが、米国のバイデン政権は棄権のうえ、国連大使が「決議に拘束力はない」と主張しました。米国に本部をおく国際NGOの車列が今月2日、ガザで砲撃され7人が死亡し、バイデン大統領はイスラエル批判を強めていますが、一方で、F15戦闘機など新たな武器供与の承認を議会に求める姿勢を変えていません。

 昨年10月以降、バイデン政権は100を超す武器売却案件を認めたとも報じられ、ユダヤ系を含む与党・民主党の議員からも反対の声があがっています。全米で100以上の自治体で即時停戦を求める決議があがっています。

 5日にジュネーブで開かれた国連人権理事会は、ガザに対する封鎖と集団懲罰の中止、即時停戦と、各国からイスラエルへの武器輸出の停止を求める決議を採択しました。米国は反対しましたが、これに先立ち3日に開かれたパレスチナ問題にかかわるNGOと政府の会合でも、イスラエルと同国への軍事支援を続ける米国などへ批判が相次ぎました。

 ウクライナ侵略を続けるロシアには制裁を行いながら、イスラエルへの支援を続ける二重基準は、国際法制度への重大な打撃だ、との強調もありました。イスラエルを集団殺害の罪で国際司法裁判所(ICJ)に提訴した南ア政府代表は、ICJが1月と3月に出した人道支援妨害の即時停止などの暫定措置命令に、イスラエルが従うよう求め、パレスチナ自治政府の代表は、「世界は良心に目覚め行動を起こす責任がある」と訴えました。

 米国の同盟国の一つスペインの外相は同日、パレスチナを7月までに国家として承認すると表明しました。スペインは3月のEU首脳会議後、アイルランド、マルタ、スロベニアとともに、「平和と安全のため」適切な時期に国家承認をする用意があると共同声明を出しています。

日本は即時停戦迫れ

 日本政府は、5日の人権理事会決議に棄権しました。背景には、イスラエルとの「防衛交流に関する覚書」(2022年8月)で、「防衛装備・技術協力や軍種間協力を含め、両国間の防衛協力を引き続き強化していく」とした合意があります。岸田政権は、イスラエルのガザ攻撃が続く中、イスラエルの軍需企業から攻撃用ドローンを輸入する計画です。

 日本は、国際法・国際人道法を犯し続けるイスラエルとの軍事協力などではなく、即時停戦の実行こそイスラエルと米国に強く迫るべきです。(田川実・党国際委員会事務局長)


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