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2024年4月7日(日)

陸自幹部らの靖国参拝

陸幕監修本でも「公的」

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(写真)神社に行く際に「官用車を使用しないこと」などの留意点が書かれた『陸上自衛隊新服務関係Q&A』(改訂4版)

 陸上自衛隊の幕僚監部人事部が監修した内部関係者向けの書籍で、陸自隊員が宗教施設を参拝する際の注意点をQ&A方式でまとめていることが6日、分かりました。これによると、今年1月の小林弘樹陸幕副長(当時)ら幹部の官用車を利用した靖国神社参拝は、「私的」ではなく「公的」参拝に当たることになります。日本共産党の穀田恵二衆院議員が明らかにした陸幕の内部資料(本紙4日付既報)とも一致します。

官用車使用は×

 問題の書籍は『陸上自衛隊 新服務関係Q&A』(学陽書房)です。陸自隊員が守るべき服務規律をまとめています。一般販売はしておらず、関係者向けの希少な本です。監修は、改訂3版まで陸上幕僚監部人事部ですが、最新の改訂4版の名義は「服務法規研究会」となっています。陸自の通達や訓令に精通した内容であることから、4版も陸幕が監修に関わったとみられます。

 この中で「神社の例大祭に招待を受けた場合、これに参加してよいか」という設問がありました。回答は「次の事項に留意することが必要」と4点を列挙し、「官用車を使用しないこと」「随行者は伴わないこと」などと明記されていました。

 本紙が1月に特報した小林副長(現、中部方面総監)らの靖国神社参拝では、行き帰りの送迎で官用車を使っていました。また参拝当日には、陸幕監部の勤務員を境内に配置。幹部を誘導し、小林副長の荷物を持って随行する勤務員の姿もありました。

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(写真)靖国神社(東京都千代田区)

部隊参拝は濃厚

 この『Q&A』でみれば、小林副長らの参拝が「公的」参拝であることは明らかです。ところが防衛省は、この参拝を「私的」だったとする調査結果を提出。「部隊参拝」を禁じた1974年の事務次官通達に違反していないとしました。「私的」と強弁する木原稔防衛相と防衛省の責任が問われます。

 また『Q&A』では、「宗教上の礼拝所に対して部隊として参拝すること及び隊員に参加を強制することは禁じられています」としています。

 海上自衛隊の遠洋練習航海に参加予定の練習艦隊司令官と実習幹部が毎年、靖国神社に集団参拝していたことも、本紙の調べで判明しています。防衛省は現在、この参拝について調査中ですが、『Q&A』でも禁じている「部隊参拝」を、隊員に事実上強要している疑いがあります。


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