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2024年4月6日(土)

イスラエルの「誤爆」主張

国境なき医師団が批判

“これまでも人道支援要員攻撃”

 国際NGO「国境なき医師団(MSF)」は4日、パレスチナのガザで食料支援を行っていた国際NGOの職員7人がイスラエル軍の空爆で殺害された事件について、故意はなかったとするイスラエルの立場を否定し、同国軍はこれまでも、多くの人道支援要員を攻撃してきたことを強調しました。

 国際NGO「ワールド・セントラル・キッチン(WCK)」の職員7人がガザで1日にイスラエル軍の空爆によって殺害されました。イスラエル側は空爆を認めていますが、軍事作戦中の意図的ではない「遺憾な事件」と主張しています。

 ロイター通信によると、MSFのクリストファー・ロックイヤー事務局長は4日のスイス・ジュネーブでの記者会見で、「『遺憾な事件』とする物語は受け入れない」と強調しました。

 ロックイヤー氏は、今回の空爆は、これまでのイスラエル側の「人道支援者や医療従事者、ジャーナリスト、国連職員、学校、民家に対する意図的な攻撃と同じパターンだからだ」と説明しました。

 さらに「私たちはここ何週間も言い続けている。この攻撃のパターンは意図的なものか、無謀な無能さを示すもの」だと、イスラエルを厳しく批判。「人道支援活動家へのこうした攻撃が許されているのは、政治の選択だ」「国際人道法の完全な無視だ。そして今、説明責任を果たさなければならない」などと訴えました。

 WCK職員への空爆事件後も、MSFはガザで活動を続けていますが日常的に活動の危険性を見定めながら行っているといいます。

 ロックイヤー氏によると、昨年11月に起きたイスラエル軍によるMSFの護送車への襲撃や今年2月のMSFシェルターへの攻撃などについて、MSFとしてイスラエル側に調査を求めています。「どの事件についても、私は何の説明も受けていない」と述べました。

 国連によると、昨年10月の戦闘開始以降、少なくとも196人の人道支援関係者が犠牲になっています。


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