2024年3月30日(土)
18歳「自衛隊に名簿 違憲」
高校生が奈良市と国提訴
プライバシー権を侵害
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奈良市の18歳高校生が自分の個人情報を事前の承諾なく市が自衛隊奈良地方協力本部に提供したのは違法・違憲だとして29日、市と国を相手取り、国家賠償を求める訴訟を奈良地裁に起こしました。
自衛隊は隊員募集のため全国の市町村に18歳と22歳の名簿提供を求めていますが、当事者が「プライバシー権の侵害だ」と訴える裁判は初めてです。
訴状によると、市は昨年2月、生年月日が2001年4月2日~02年4月1日までと05年~06年同月日の計6419人の名簿を紙媒体で自衛隊に提供。原告のRYUさん(当時17歳)には昨年7月、募集案内が配達されました。原告は、個人情報を提供できる明確な法令は存在せず名簿提供は違法だと強調。違法行為で取得し活用した自衛隊も個人情報保護法違反であり、憲法13条が保障するプライバシー権の侵害で精神的損害を被ったとして賠償を求めています。
RYUさんは「戦争はない方が良い。争いごとは話し合いで解決すべきだと思っているので、武器を持って戦う自衛隊に参加するつもりはない。全国で若者の個人情報提供をやめさせるため少しでも役に立てるならと決意した」とコメントを発表。
保護者も「今は学校でも名簿などを作成しておらず奈良市の行為はあり得ない。民間会社だったら社会的に大きな問題。保護者の承諾もなく未成年を勧誘(求人)した市と自衛隊に怒りを覚える」とコメントしています。
原告弁護団と自衛隊名簿提供違憲訴訟(RYU裁判)を支援する会は奈良市で会見。弁護団は奈良だけでなく北海道、福岡など全国13人で構成しており、全国的意義をもつ訴訟だと強調しました。