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2024年3月30日(土)

緊急な人道支援命令

イスラエルに国際司法裁

「ガザの飢饉始まっている」

 国際司法裁判所(ICJ、オランダ・ハーグ)は28日、パレスチナ・ガザでの飢餓の深刻化を受けて、イスラエルに対し、「緊急に必要な基本的なサービスと人道支援」を行うための「すべての必要な実効ある措置」をとるよう命じました。1月26日に発した暫定措置を新たな事態に即して修正したもの。

 ICJに対しては、南アフリカが昨年末、イスラエルがガザでジェノサイド(集団殺害)条約違反を犯しているとして提訴。結審までには数年かかるとみられていますが、ICJは1月26日、南アの要請にこたえ、イスラエルに対してすべてのジェノサイド行為の防止、人道援助のための即時の措置などを命じる暫定措置を発出していました。

 ICJは今回の措置で、ガザでは「長期で広範な食料や基本的な必要の剥奪」で「破滅的な生活条件がさらに悪化」していると指摘。1月26日時点でICJが述べた「飢饉(ききん)の危険」の段階ではもはやなく、「飢饉は始まっている」と述べ、状況の変化に対応するために先の暫定措置を修正する必要があると述べています。

 具体的には、イスラエルに対し、食料、水、電気、燃料、シェルター、衣服、衛生用品、医薬品、医療ケアを含め必要な支援を、「遅滞なく、妨害なしに、緊急に必要な規模で」国連と協力して届けること、支援物資の地上からの搬入のため検問所の「能力と数を増やし」「できるだけ長期に開放する」こと、イスラエル軍が人道支援の搬入の妨害などによって、ジェノサイド条約に基づいてパレスチナ人が持つ権利を侵害しないよう直ちに措置をとることなどを命じました。


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