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2024年3月29日(金)

主張

新年度予算成立

暮らし踏みつけ戦争する国へ

 このまま自民党政治を続けたら日本はどうなるのか。そう思わざるを得ない2024年度予算が、野党の反対を押し切り自民・公明両党の賛成で成立しました。戦争国家づくりに向け10年連続で過去最大となった軍事費や大企業への大盤振る舞いの一方で、国民の暮らしを切り捨てる中身です。

巨額借金国民に負わす

 自公政権は、▽日本が開発・輸出した戦闘機が将来的に戦闘に使われ、他国民にミサイルを撃ち込む道を開き▽国民の知る権利とプライバシーを侵害する経済秘密保護法案を今国会で通そうとするなど、「死の商人国家」「戦争する国」に向けて暴走しています。

 中国を抑え込むアメリカの軍事戦略の一翼を担うため米軍と自衛隊の一体化をすすめ、憲法違反の敵基地攻撃に使う長射程ミサイルの取得・開発・量産などに巨費を投じ、約8兆円の軍事費を盛り込みました。23年度当初予算と比べ1・1兆円の増額です。政府は、2兆円あれば大学無償化ができるとしています。なぜ、そちらに予算を向けないのでしょうか。

 日本共産党の論戦で、雇用を維持するための雇用調整助成金のコロナ対応時の残りを、能登半島地震の被災者に使わず軍拡財源に充てることや、軍拡財源確保のために子育て支援の財源を国民の負担で賄うことが明らかになりました。「安全保障」を言いつのりながら、国民の暮らしの安全・安心に背を向けています。

 巨額の軍事ローン(後年度負担)を国民に背負わせる、いびつな国家財政も深刻化させます。米国製武器の“爆買い”など安保3文書に基づく軍拡計画の下で、24年度予算で計画されている外国からの武器輸入契約額の約9割が新たな軍事ローンです。軍事ローンは過去2年間で倍増し、総額約13兆7500億円に膨らみ、後々まで国民にのしかかります。軍事費を特例扱いして侵略戦争に突き進んだ戦前の反省から、戦後、予算の単年度主義がとられてきました。それを形骸化させています。

 大企業への大盤振る舞いも際立ちます。半導体メーカーの台湾積体電路製造(TSMC)1社に計1・2兆円超の補助金を投入します。これは24年度の中小企業対策費1693億円の7倍以上です。特定分野に10年間減税する制度なども創設、大企業を中心に年間2500億円近い減税と見込まれます。

 一方、中小企業対策費は23年度当初予算から11億円減らされました。インボイス制度の導入で増税を強いられ、フリーランスや雇用の7割を占める中小企業は廃業の危機に立たされています。

 社会保障は高齢化などによる自然増を1400億円圧縮し、医療、介護、年金を切り詰めます。教育費は実質横ばいで、国立大学の運営費交付金は物価高の中、実質減額です。食料安定供給の予算も減らします。

打開の方向は明確だ

 アメリカと財界言いなりで暮らしを押しつぶす予算を続けていては、「少子化対策」を言っても国民には響かず、日本経済の30年の停滞からの脱却もできません。裏金問題で明らかになったように、財界からのカネの力で動く自民党政治はもはや現状を転換する方策を持たず行き詰まっています。国民の声を集めて自民党政治を終わらせる。打開の方向は明確です。


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