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2024年3月27日(水)

同性パートナーも「遺族」

犯罪被害者給付対象 初の判断

最高裁「事実婚に該当」

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(写真)同性パートナーを犯罪被害者遺族と認める判決を報告する、原告の内山靖英さん(左から3人目)と代理人弁護士ら=26日、最高裁前

 20年以上連れ添った同性パートナーを殺害された名古屋市の内山靖英さん(49)が、犯罪被害者遺族給付金を不支給とした愛知県公安委員会の裁定の取り消しを求めた訴訟の上告審判決が26日、最高裁第3小法廷でありました。林道晴裁判長は、同性パートナーを犯罪被害者遺族と認める初判断を示しました。内山さんの請求を退けた名古屋高裁判決を破棄。内山さんについて、支給の可否を判断するため、審理を名古屋高裁に差し戻しました。

審理を差し戻し

 判決後、記者会見した内山さんは「同性パートナーも異性パートナーも同じだよと最高裁の裁判官が認めてくれてようやく安心できました」と弁護士を通じて語りました。

 争点となったのは、犯罪被害者給付制度の対象となる「事実上婚姻関係と同様の事情にあった者」(事実婚)に同性パートナーが含まれるかどうかです。一審の名古屋地裁判決(2020年6月)、二審の名古屋高裁判決(22年8月)は県公安委員会の不支給裁定を是認しました。

 最高裁判決は、同給付制度は、遺族の精神的、経済的打撃を早期に軽減するなど被害を受けた者の権利利益を保護することにあると指摘。その必要性について、犯罪被害者と異性であるか同性であるかによって異なるものではないと判断しました。事実婚に「同性パートナーも該当する」としました。

 内山さんの弁護団は記者会見で、同性パートナーが、配偶者である「事実上婚姻関係と同様の事情にあった者」にしうることを正面から示した初めての判決と評価しました。

 差し戻し審にあたり原告と弁護団は「名古屋高裁はすみやかに、不支給を取り消せ」と迫っていく決意を語りました。


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