2024年3月23日(土)
アイヌ証言「うそ」根拠
杉田水脈氏側 回答拒否
「共産党機関紙には答えない」
自民党の杉田水脈衆院議員がインターネット上でアイヌの証言を「うそ」と述べました。その発信をめぐり本紙が根拠を文書で問い合わせたところ、同議員事務所は18日、「共産党の機関紙には答えない」と回答しました。
杉田議員は8日、X(旧ツイッター)に国連の女性差別撤廃委員会について、「『アイヌ女性は健康保険に加入できない』なんていう嘘(うそ)を吹聴する場ではありません。私はこの現場にいて、日本には存在しない差別を話す人たちにとても違和感を感じました」と投稿。アイヌの多原良子さんへのインタビュー記事(「しんぶん赤旗」5日付)に関する投稿を引用する形で書き込みました。
記事は、アイヌ女性らが同委員会に参加し、健康保険に加入できず、経済的な理由などで医療を受けられないアイヌ女性がいることを、委員に訴えたことに触れていました。
北海道によるアイヌ生活実態調査や、アイヌ団体によるアイヌ女性への実態調査で、健康保険に加入していない人がいることは明らかです。
杉田議員が「うそ」と主張する根拠を尋ねましたが、同議員事務所は「なぜ共産党の機関紙の質問に答えなければならないのか」と応じました。
多原さんが国連で健康保険について訴えたのは2009年。当時、杉田議員を見なかったといいます。杉田議員がどの年に参加したのかという質問にも、答えはありませんでした。同議員の公式ウェブサイトによると、09年は兵庫県西宮市の職員でした。